
ノーベル平和賞を米国大統領バラク・オバマが授与するという。
ノーベル賞の品格、ノーベル賞委員会の品格というものを疑わざるを得ない。
「核兵器のない世界」なるものを提唱して、それが現実的なものであるか、単なる夢想的なものであるかの前に、当然の如くオバマにまだ評価する実績などないのだ。理念に対する賞なら誰にでも与えられる。評価すべきは実績ではないのか。時の権力者にこういった賞を与えることには強い疑問を感じる。今回のオバマの授与もノーベル賞委員会の政治的な動きとも見たくなる。また新たなロシアとの戦略兵器削減条約、包括的核実験禁止条約の批准、核拡散防止条約の強化、核管理に関する首脳会議など「核兵器のない世界」への動きとは言えない。これらは核軍縮だ。
オバマの「核兵器のない世界」なるものは、核廃絶への動きではなく、核軍縮に過ぎない。
この度のノーベル平和賞受賞報道を見ていると、核軍縮の延長線上に核廃絶があるがごとき論調がなされているが、核廃絶と核軍縮は似て非なるものである。
では、核廃絶と核軍縮の違いはなにか。
核軍縮は、あくまでも核兵器を誰かが持ち続けるのが前提なのだ。しかし、核廃絶は全地球上から完全に無くすということだ。
核廃絶とは似て非なるものであり、核軍縮とはまったく違う概念だ。オバマは、アメリカ大統領として、無責任な核廃絶論に与するほど稚拙ではないということだろう。恒久的な平和を望むが故のものではない。
オバマ、そして米国政府の本音は、あくまでも当面の核軍縮であり、この世界一極支配が崩れつつある中でいったん手を引くというポーズを取っているに過ぎない。最近のアメリカの動きを見ていれば「世界経営」から手を引きたいということは明らかだ。中国共産党もロシアも以前にも増して覇権主義を強めている。核を持つ国は影響力を以前より鮮明に打ち出してくるだろう。そして、持たざる国の国際政治力は低下する。
結局のところ、核軍縮などというのは核保有国のエゴであり、オバマもアメリカの核大国という地位と核保有の権益を守りたいがための詭弁でしかない。われわれは日本人なのだ。ならば、アメリカの政治に口出しするのではなく、また大国のエゴに屈することなく、日本の政治に声を挙げたい。
まずは、
わが国の核武装に反対し、地球上の核兵器廃絶を与野党すべての政党が主張するという異様な状態をはじめ、思考停止状態から日本の政治を解放せねばならない。それには、文字通り新しい風を起こすことだ。
だからこそ、核武装を堂々と主張する政治勢力の構築が急がねばならない。
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